もっと分かる。キド博士の講義メモ

「エンジンを正しく動かす酸素センサー」

固体電解質である安定化ジルコニアは、酸化ジルコニウムの結晶の中に安定化剤と呼ばれる別の元素が溶け込んでできています。その結晶構造の中は酸素が少なくなっている部分があります。そこに酸素イオンが入り込むと、酸素イオンが結晶の内部を玉突き式に移動して、反対側に酸素が飛び出します。結果的に、固体の壁を酸素が通り抜けたことになるわけです。

この酸素が通るという性質を利用して、酸素濃度の違いを電圧や電流にして検出するのが、酸素センサー。安定化ジルコニアは、振動や高温環境下での信頼性と耐久性が高く、微量の酸素濃度をすばやく測定できるため、ガソリンを燃料とする自動車エンジンの燃焼制御や工場のボイラーや溶鉱炉の酸素濃度管理に活躍しています。パワーを十分に引き出しながら燃費をよくすると同時に、汚れた排ガスがでないようにコントロールするわけです。

酸素センサー以外にも、安全を約束するブレーキ、排ガスを浄化するための触媒装置、ETCやカーナビの電子部品など、ジルコニウム化合物は自動車のいろいろな部分で大切な役目を果たしています。(環境編、エネルギー編参照)

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