前期における世界経済は、金融危機の後遺症が欧米諸国には残るものの、中国・インド・ブラジル等の新興国の景気拡大が牽引し、緩やかな回復傾向となりました。日本経済も、為替の円高や悪化する雇用環境により個人消費が低迷を続けており、依然としてデフレ圧力下の厳しい情勢にあるものの、低迷していた設備投資に底入れの兆しが見えるなど、一部に明るさが出てまいりました。特に、当社の主要顧客であります自動車・電子部品等の業界では、環境対応型製品購入に対するインセンティブ施策の恩恵もあり、生産の回復傾向が顕著となりました。
このような状況のもと、当社は自動車排ガス浄化触媒材料・酸素センサー素子材料・ブレーキ材料等の自動車関連製品において、需要の回復を着実に販売に結びつけることが出来、売上高は前々期を上回る結果となりました。一方、期初から実施してまいりました経費削減努力は、販売の回復した下期も継続して徹底し、筋肉質の体質を維持いたしました。
今期の景気の見通しにつきましては、ヨーロッパでの一部中小国の信用不安問題はあるものの、中国・インドをはじめとする新興国の景気拡大は継続するものと予想されます。また米国も、雇用統計や不動産市場に底入れの兆しが見えるなど、金融危機の影響から立ち直りつつあるものと思われます。このため、日本経済も、依然として国内需要は低調なものの、外需に牽引されて緩やかな景気回復局面にあると予想しております。
これらの環境の下、当社は引き続き現状の効率的な生産体制を維持するとともに、福井工場を中心にさらなる需要の増加に対応できる能力増強をおこない、収益の拡大に努めます。
株主の皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
第一稀元素化学工業株式会社 代表取締役社長 井上 剛

